フォト_ギャラリー

2021年10月24日 [ 第670回 ]

 オオミズナギドリ,ムジセッカ,コホオアカ,マミチャジナイ,オオムシクイ,トラツグミ

 緊急事態宣言も蔓延防止措置も解除された直後の10月1日、僕は2年半ぶりとなる舳倉島へ向け て出発した。 いつも春5月ばかりだったが今回は初めての秋。 民宿つかさの女将さんに聞いたとこ ろでは秋はだいたい10月頃がシーズンとの事だったので早くから予約してあった。 夜20時に自宅を 出て夜間走行でハンドルを握り翌朝のへぐら航路に合わせて輪島に到着した。 到着したのは計算通 り夜中の2時だったが港に着いて驚いたのは駐車場がガラガラだった事だ。 いつも満車で仕方なく近 隣の朝市駐車場に駐車するのに、異様な光景に驚きのあまり自分が何か間違ったかなと思う程だっ た。 出航が決まる7時になっても乗客はわずか数人でしかも釣り客ばかり。 どうやら野鳥ファンはみ んな緊急事態宣言がまた延長されるだろうと予想して躊躇しているのだろうと勝手に想像した。 僕は 衆院選の投票率を上げる為に意地でも解除するだろうと読んでいた(不思議な事にそれ以降報道され る感染者数も激減して来た)。 今回はいつもより長めに4泊の予定で民宿つかさに予約してある。

 
 ▲ へぐら航路

 乗り場に行ってみるとそれなりに乗客が集まって来たが相変わらず釣り客の方が多いという信じられ ない様な状況だった。 乗り場でようやくカメラを持った人を2人見つけ挨拶を交わした。 変なアウェー 感にさいなまれていたので何だか心強い仲間を見つけた感じだったが2人とも日帰りの予定との事だ った。 僕はいつもの様に上部デッキ(船橋甲板)に陣取って出航を待った。

 
 ▲ 七ツ島

 台風一過で微妙だと思っていたが出航してくれた。しかし波は大したこと無いのに波しぶきが酷過ぎ て出港後上部デッキを諦め下部デッキ(上甲板)に降りて船室には入らず何とか隙間から撮影を試み た(因みに更に下には上甲板下というデッキが有る)。





 

 オオミズナギドリ Streaked Shearwater Calonectris leucomelas

 分類:ミズナギドリ目 ミズナギドリ科

 全長:49.0cm

 翼開長:120.0cm

 分布:全国で漂鳥。

 生息環境:海上、沿岸、沖合など。

 食性:魚類、イカなど。

 フォトギャラリー:第475回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年10月2日

 撮影時間:09時43分40秒

 シャッタースピード:1/4000秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR

 七ツ島に接近すると定番のオオミズナギドリが撮れた。 島をバックに撮れたのでピンボケだが掲載 第1号。





 

 ムジセッカ Dusky Warbler Phylloscopus fuscatus

 分類:スズメ目 ムシクイ科

 全長:12.0cm

 翼開長:不詳

 分布:全国で少ない旅鳥または冬鳥。

 生息環境:藪、灌木林など。

 食性:昆虫、蜘蛛など。

 フォトギャラリー:第472回参照

 撮影難易度:★★★★☆


 撮影日:2021年10月2日

 撮影時間:11時07分57秒

 シャッタースピード:1/2500秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR

 毎回そうだが舳倉島に上陸するのは感慨無量だ。 今回は久々なので尚更だ。 とりあえず民宿つ かさに荷物を降ろして早速島巡りを開始した。 開始早々診療所の裏にさっき乗り場で挨拶を交わした うちの1人がカメラを構えていた。 便乗させてもらうとムジセッカが居るとの事。 毎週日帰りしている 常連さんだそうで、何でも秋はムシクイが多く9月頃から入るとの事だった。 声と全体の印象からムジ セッカで間違い無さそうだったがビジュアルでの識別点は足指の裏側が明るい色というところだ(下記 拡大写真参照)。上陸早々幸先の良いスタートとなった。





 

 コホオアカ Little Bunting Emberiza pusilla

 分類:スズメ目 ホオジロ科

 全長:13.0cm

 翼開長:不詳

 分布:主に日本海側の島嶼部で旅鳥または稀な冬鳥。

 生息環境:平地の林、草原、農地など。

 食性:昆虫、種子など。

 フォトギャラリー:第472回他参照 

 撮影難易度:★★★★☆


 撮影日:2021年10月2日

 撮影時間:13時01分45秒

 シャッタースピード:1/2500秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR

 ひとしきりムジセッカを撮影したあと少し出が悪くなったので島巡りを再開したが春とは微妙に勝手が 違ってなかなか野鳥が見つけられない。 松林を抜けて海岸に出てシラスナ遺跡周辺(通称タヒバリロ ード)を歩いているとようやく珍鳥オーラを発する小鳥が見つかった。 久々に見るコホオアカだった。  午前中はムシクイばかりしか見つからない様な状況だったからホオジロ科っぽい小鳥の群れは目新し かった。





 

 マミチャジナイ Eyebrowed Thrush Turdus obscurus

 分類:スズメ目 ヒタキ科

 全長:22.0cm

 翼開長:37.0cm

 分布:全国で旅鳥。

 生息環境:平地〜山地の林。

 食性:ミミズ、幼虫、木の実など。

 フォトギャラリー:第422回他参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2021年10月2日

 撮影時間:13時40分29秒

 シャッタースピード:1/30秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:1250

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 オオムシクイ Kamchatka Leaf Warbler Phylloscopus examinandus

 分類:スズメ目 ムシクイ科

 全長:10.0〜13.0cm

 翼開長:20.5cm

 分布:北海道で夏鳥、それ以外で旅鳥。

 生息環境:平地〜亜高山帯の林など。

 食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。

 レッドリスト:情報不足(DD)

 フォトギャラリー:第593回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年10月2日

 撮影時間:13時44分46秒

 シャッタースピード:1/20秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:1250

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR

 島内を何巡かして水場へ行ってみたらマミチャジナイとオオムシクイがほぼ同時にやって来た。 オ オムシクイは初めムジセッカかと思ったが全体に黄色味が強くムジセッカらしさが無いのでオオムシク イっぽいと気付いた。 舳倉島で狙う様な珍鳥でもないが鳥影が少なく今は貴重に思えた。





 

 トラツグミ Scaly Thrush Zoothera dauma

 分類:スズメ目 ヒタキ科

 全長:29.5cm

 翼開長:47.0cm

 分布:全国で留鳥または漂鳥。

 生息環境:平地〜山地の暗い林など。

 食性:ミミズ、幼虫、木の実など。

 フォトギャラリー:第615回他参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2021年10月2日

 撮影時間:13時57分52秒

 シャッタースピード:1/200秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:1250

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR

 快晴だと思っていた空模様が急変し黒い曇天が上空を覆い始めひと雨来るのも時間の問題に思え て一旦つかさへ戻ろうと思った矢先、 頭上の枝で気配がして見上げるとトラツグミが葉陰に隠れてい た。 もう少し余裕が有れば時間を掛けて撮るところだったがちょっと焦っていたので証拠写真で満足 して足早に宿へ向かった。 結果的にはつかさの数十メートル手前でパラパラと降り始めたので間一 髪だった。 だいぶ疲労が溜まっていたので部屋で寝転んでいたら睡魔が襲って来て泥の様に寝落ち した。 目覚めると雨はとっくに上がっていて既に陽が落ちて薄暗くなっていた。 ふらふらと外に出て 見ると地面だけ濡れていて野鳥の気配が無く撮影にも光が足りなかったのでちょっと散歩しただけで戻 った。


 

 宿での楽しみはやはり夕食だ。 先に入浴を済ませて蚊取り線香の焚かれた食堂に行ってみると既 に酒宴が始まっていた。 釣り人の大きなグループの他は宿泊客も少なく知った顔も無い。 実際いつ も相部屋になるのに今回は一人部屋だった。 二人の男女が向かい合うテーブルに着席させてもらう と男性は日本野鳥の会の人、女性は取材のテレビディレクターとの事だった。 つまり野鳥ファンは僕 一人。 お仕事の二人と相席させてもらってちょっと申し訳ない様な気持ちになった。 ここで聞いた話 によるとハシブトアカゲラやセジロタヒバリが居たとの事だった。 さすがプロだなといつもながら感心し た。






 拡大写真:ムジセッカの識別点

 

 足指の裏側が明るい色。





 YouTube動画:舳倉島バードウォッチングの旅 @ https://youtu.be/MCxPNzfZn7Q



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