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2021年04月07日 [ 第633回 ]

 カシラダカ,オオヒシクイ,ノスリ.余録;アカスジキンカメムシ(幼虫)〈再掲〉,連載企画; ズー ムレンズ(望遠系)

 

 カシラダカ Rustic Bunting Emberiza rustica

 分類:スズメ目 ホオジロ科

 全長:15.0cm

 翼開長:24.0cm

 分布:本州以南で冬鳥。北海道で旅鳥。

 生息地:平地〜山地の林、農地など。

 食性:昆虫、蜘蛛、草木の種子。

 フォトギャラリー:第619回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年3月26日

 撮影時間:08時40分23秒

 シャッタースピード:1/4000秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:滋賀県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 オオヒシクイ Middendorff's Bean Goose Anser fabalis middendorffii

 分類:カモ目 カモ科

 全長:100.0cm

 翼開長:170.0cm

 分布:本州以北で冬鳥。

 生息環境:湖沼、水田、湿地、河川など。

 食性:ヒシの実、水草、落ち穂など。

 レッドリスト :準絶滅危惧(NT)

 フォトギャラリー:第528回他参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2021年3月26日

 撮影時間:12時41分57秒

 シャッタースピード:1/3200秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:マニュアル

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:滋賀県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 ノスリ Common Buzzard Buteo buteo

 分類:タカ目 タカ科

 全長:雄52.0cm 雌57.0cm

 翼開長:122.0〜137.0cm

 分布:北海道〜四国で留鳥。その他で冬鳥。

 生息環境:平地〜亜高山の林。

 食性:小型哺乳類など。

 フォトギャラリー:第618回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年3月26日

 撮影時間:13時41分01秒

 シャッタースピード:1/4000秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:滋賀県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 滋賀県で用事が有ったついでに湖西と湖北で探鳥した(最近何かのついでというパターンが多いけど 気のせいかな・・・?)。 1枚目のカシラダカは用事の前に湖西の小さな公園で探鳥したらけっこうな数 の群れが居た。 釣りに来た人やパークゴルフに来た団体さんの他に野鳥ファンらしき人が居たので 声を掛けてみたら名古屋から京都に用事が有ったついでに寄ってみたとの事だった(いろんな意味で お仲間だった)。
 用事が終って湖北に移動し湖北野鳥センターへ行ったら前の湖面に1羽だけオオヒシクイが残ってい た。 群れはもうとっくに北帰してしまったが悠然と1羽だけで湖面に浮かんでいた。 特にカモ科は警 戒心が強くカモ同士で群れる習性が有るが多数の中には変わり者も居る様で孤独が好きなタイプらし い(奥にオカヨシガモらしきカモが写っているが望遠レンズだから近い様に見えるだけで見た目よりか なり遠い)。 突然変異とまでは言わないがちょっと違う個体の出現が種の保存に役立ったりする可能 性は有る。 たまたまその個体が環境の変化に適応して生き残れば新たな進化に繋がるかも知れな いし絶滅を免れる事になるかも知れない。 進化は必ずしも形態の変化とは限らず習性の変化として 現れる場合も有るのではないだろうか。
 周辺を歩きたくなって(ここに来ると必ず歩いて探鳥するが)農耕地を歩いていると川の中の茂みから 突然猛禽が飛び立った。 画角内に捉えていたはずだがピントがあまりにも外れていたのでファインダ ー像が霧が掛かったみたいに何も見えず合焦するまで手間取ってしまいしかも逆光だった為にこんな 画しか得られなかった。 まあこれでもノスリと判るから良しとしておこう。
 なお去年の余録で同定不能のため謎の甲虫として載せた昆虫を湖北野鳥センターで調べてもらった らアカスジキンカメムシの幼虫と判明した(フォトギャラリー第554回余録参照)。






 
 ▲ 余録;アカスジキンカメムシ(幼虫)〈再掲〉





 連載企画; ズームレンズ(望遠系)

 
 ▲ ズームレンズ模式図

 焦点距離が変えられるズームレンズは特に構造が複雑だ。 出来れば一度合わせたピントが焦点距 離ごとにズレない様にしたいという事情も有る。 勉強してみるとけっこう深くて面白い。 大別して機械 補正式と光学補正式が有る。 前者はレンズ群ごとに前後にスライドして焦点距離を変える。 スライド の方向が一定ではなく往復する場合も有るなど動きが複雑なのでカムが必要だ。 後者はレンズを奇 数番目と偶数番目の成分に分けてスライドさせる方法だ。 後者のメリットは単純な直線運動だからカ ムなどが不要な事だが常にピントが厳密に合焦する訳ではなく何とか被写界深度(※1)内に収める様 に設計しなければならないのが難点でカムの工作技術が進歩した事からほとんどの一眼レフ用レンズ が前者の機械補正式だ。 単焦点レンズでもそうだったがズームでも望遠系と広角系では作りがだい ぶ違う。 今回は望遠系のズームレンズについて。 この模式図は変倍と焦点移動の原理を図示した ものでどのレンズが凸レンズか凹レンズかは決まっていないので便宜的に凹レンズも含めて全てのレ ンズを凸レンズで表している。 縦に並べた各図は焦点距離の変化に伴うレンズ群の位置の変化を連 続的に表している。 レンズ群は左からTからWまでの成分に分かれているが成分の数も4つとは限 らない。 ただこの構成はTからVまでの3成分が動くので3成分機械補正式と呼ばれ高倍率ズーム に有利とされる。 それぞれの成分は役割が決まっていてTはピントのフォーカシング(動きが他と独 立しているので焦点距離が変わってもピントがズレない)、Uは焦点距離を変えるバリエーター(変 倍)、Vは変倍によって生じた像点移動を補正するコンペンセーター、Wは固定されて動かず撮像素 子に結像させるリレー系(マスターレンズ)だ。 それぞれの成分ごとに一旦結像して次の成分はその 像を被写体として捉えて次に伝える。 図の左端の無限遠の被写体O1からの光束がTを通って像O' 1を結像する。これがUとVによってO'2、O'3に再結像される(この例ではO'3は理論上無限遠に結 像)。 そして最後にWが撮像素子にO'4を結像するという流れだ。途中の結像倍率M2は上の図から 3分の1、2分の1、等倍、2倍、3倍と変化する様子を表している(この例ではズーム比9倍)。 Uの結 像位置O'2は一定しないのでVが一定位置に結像させる働きをする。 VはUの動きと連動してO'2と 一定の距離感で非線形に前後するからカムが必要になる。 ズーミングすると一部のレンズ群が行き つ戻りつするのはこのためだ。 因みにこの図の様に絞りがリレー系に有るとズーミングしてもF値(レ ンズの明るさ)は変わらない。 射出瞳(※2)が変わらないからだ。 逆にF値が焦点距離によって変 動するレンズは絞りが移動する成分に含まれているはずだ。 また一般にリレー系は各成分で生じた 諸収差をまとめて補正するから複雑な構成になる。

 ※ 1 被写界深度:許容出来る程度に概ねピントが合焦する範囲

 ※ 2 射出瞳:レンズを後方から覗いた時に見える絞りの像 ズーミングなどで絞りが撮像素子から 遠退くと射出瞳が小さく見えそのぶん暗くなる。

 
 ▲ Uが凹レンズの場合

 なお実際のレンズではUが凹レンズになっているものが一般的だ。 その場合は図の用に虚像O'2 をレンズの前方に作る。

 
 ▲ ミノルタロッコール75〜200mmF4.5

 3成分機械補正式の具体的な一例がミノルタのロッコール75〜200mmF4.5だ。 絞りが固定さ れたリレー系に位置するのでFナンバーがF4.5で一定のレンズだ。 カメラ任せの撮影ではそのメリ ットは感じにくいがマニュアル撮影の際にズーミングでF値が変動してしまうと露出オーバーやアンダー といった失敗をするリスクが大きい。

 参考文献:小倉敏布「写真レンズの基礎と発展」朝日ソノラマ社1998年



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