フォト_ギャラリー

2021年03月14日 [ 第628回 ]

 アオバト,マヒワ,ルリビタキ,連載企画;一眼レフ用標準レンズ:ニッコール50mmF1.4

 

 アオバト(雌) White-bellied Green Pigeon Treron sieboldii

 分類:ハト目 ハト科

 全長:33.0cm

 翼開長:55.0cm

 分布:九州以北で留鳥または漂鳥。

 生息環境:平地〜山地の森林、海岸など。

 食性:木の実、種子など。

 フォトギャラリー:第561回他参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2021年3月3日

 撮影時間:13時55分57秒

 シャッタースピード:1/2500秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 

 マヒワ(上=雄、下=雌タイプ) Eurasian Siskin Carduelis spinus

 分類:スズメ目 アトリ科

 全長:12.0cm

 翼開長:21.0cm

 分布:全国で冬鳥または漂鳥。

 生息環境:平地〜山地の草原、林など。

 食性:種子など。

 フォトギャラリー:第603回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年3月3日

 撮影時間:13時08分44秒

 シャッタースピード:1/2500秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2021年3月3日

 撮影時間:13時34分36秒

 シャッタースピード:1/320秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 

 ルリビタキ(雄) Red-flanked Bluetail Tarsiger cyanurus

 分類:スズメ目 ヒタキ科

 全長:14.0cm

 翼開長:22.0cm

 分布:全国で漂鳥。

 生息環境:平地〜山地の林など。

 食性:昆虫、木の実など。

 フォトギャラリー:第623回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年3月3日

 撮影時間:13時12分17秒

 シャッタースピード:1/1000秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2021年3月3日

 撮影時間:13時12分27秒

 シャッタースピード:1/1000秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 街中に用事が有ったついでに都市公園へ行ってみた。 水場で野鳥ファンたちに混ざってじっと立っ ていると野鳥たちが至近距離にいっぱい集まって来た。 やはり山の野鳥とは違う。 人馴れしていて 警戒心が希薄だから小枝さえ被らなければ割と撮りやすい。 初心者の人の手軽な入口は都市公園 だろう。 初めのうちはシジュウカラなどのカラ類を喜んで撮っていたがマヒワやアトリなどの群れが割 って入って来た。 だがマヒワは人馴れしていないみたいで短時間水を飲んではすぐに飛び去るという 行動を長いスパンで繰り返していた。
 そんな中異常に警戒心の希薄なルリビタキが目の前に現れた。 野鳥ファンたちの至近距離の枝に じっと止まったまま10分以上もじっとしていた。 初めのうちはみんな夢中になって連写していたがだん だん馬鹿らしくなって来て誰もシャッターを切らなくなった。 明らかに誰かに餌付けされている個体だ。  本来は藪の中を好む習性で撮影難度は決して低くないはずだ。 誰でも撮れる状態ではベテランほ ど面白くないだろう。
 そのあと誰かが木の高い所にアオバトの群れが止まっているのに気付いた。 自宅近くで見なくなっ たと思っていたらこんな所に居た。 冬季は低地に移動しているらしい(と言ってももう春だが)。 雌雄 十数羽の群れだったが高くて枝も被り厳しい撮影条件だった。 そう言えば空の高い所をそれらしいハ トが飛んでいるのが木々の間に垣間見えていたがまさか頭上に群れがいるとは思わなかった。 こち らも撮り始めて短時間で飛び去ってしまった。 都市公園だからと言って全ての野鳥が人馴れしている 訳ではない。


 シジュウカラ:フォトギャラリー第613回他参照
 アトリ:フォトギャラリー第624回他参照





 連載企画;一眼レフ用標準レンズ

 
 ▲ ニッコール50mmF1.4

 いよいよ現代の標準レンズの登場だ。 これはニコン一眼レフカメラのレンズだがキヤノンなど他社 のレンズも概ねガウス型だ。 ひと目見ただけで前回連載企画のズミクロンの流れを汲んでいる事が 分かる。 前回までの連載企画を通しで読み進んだ人には何故この単レンズの配置になっているのか 概ね理解出来ると思う。 ただ前回までのレンズはレンジファインダー機というカメラのレンズだったの に対し今回は一眼レフのレンズという点が微妙に異なる。 レンジファインダー機は長くカメラの歴史を 彩って来たが撮影用のレンズとは別にファインダー用の光学系が有りパララックス(視差)という問題を 抱えていた。 パララックスとはファインダー像と実際の撮影像との間に視点の違いによるズレが生じ る事だ(一眼レフでも廉価版の機種では価格を抑える為にファインダー倍率が100%未満のものも有 るがそれは周辺部の見えない範囲まで写り込むという事であってファインダーで見えていた物が写らな いという事ではない)。 一眼レフの最も優れた点の一つは撮影用レンズがファインダー用を兼ねてい るという事だろう。 交換レンズが広角系や望遠系などどう変わろうとファインダーで見たままが撮影さ れる。 レンジファインダー機の問題点であるパララックスも無い。 このメリットや汎用性の高さなどか ら一眼レフが急速に普及した。 因みに最近のコンパクトデジカメやミラーレスカメラは撮影用レンズを 通った画像をカメラ本体の背面モニターや電子ファインダーなどに表示しているのでパララックスは無 い。

 
 ▲ バックフォーカス(S')

 しかし一眼レフにもレンズ設計上の制約が有る。 それがバックフォーカスだ。 バックフォーカスとは レンズの最後面の頂点から後側焦点(F')までの長さ(S')だ。 よく混同されるフランジバックはマウント 面から撮像素子までの長さだからバックフォーカスとは異なる(僕も混同していた)。
 上図を解説しておくとS'がバックフォーカス。 上下の図を並べている意味は同じ大きさの像を結像す るレンズであればレンズの構成が違っても焦点距離fが等しい事を単純化したものだ。 上のレンズの 焦点距離は下の理論上の薄い単レンズの焦点距離と同じ長さだ。 焦点F'から焦点距離fぶん戻った 位置を主点と呼びH'で表す。 像側だけでなく物体側にも焦点Fと主点Hが存在する。 レンズの逆側 から平行光線を入れた時に位置が定まる。 Hは前側主点(第1主点)でH'は後側主点(第2主点)と言 う(この後側主点H'が後述する望遠レンズや広角レンズで更に重要になって来る)。 従って実際のレ ンズの焦点距離は後側主点から像側焦点までの長さを指す。 焦点距離は前も後ろも同じfになる。  Fを前側焦点、F'を像側焦点と言う(前側焦点Fは物体の位置の事ではない)。

 
 ▲ 一眼レフカメラの断面

 一眼レフカメラ本体の構造上レンズの最後端とシャッター幕との間にミラーボックスというスペースが 必要でそのぶんレンジファインダー機では不要だった一定以上のバックフォーカスが要求された(バッ クフォーカスが足りないとレンズがミラーの跳ね上げに干渉してしまう)。 しかもバックフォーカスは焦 点距離の短い広角系、そして大口径になるほど短くなる傾向が有る。 この長さを確保する為にニッコ ールレンズでは最後尾(図では右端)の凸レンズを2枚に分けた。

 

 

 ついでに一眼レフカメラの基本構造を図示しておくとファインダーを覗いている状態が上の図で、レン ズを通して入った光はミラーで上へ反射しファインダースクリーンに投影される。 この時点で撮像素子 に投影されるはずの画像と同じの状態だ(撮像素子までの光路の長さが同じなのでここで合焦してい れば撮像素子面でも合焦するはずだ)。 但し撮像素子では上下左右が反転するがカメラを構えた体 勢でファインダースクリーンを上から覗いたとしたら上下は正立像で左右だけが反転している。 だから 更にペンタプリズム(またはペンタミラー)のダハ面※で左右だけを反転させてファインダーへ導いてい る。 つまりファインダー像は撮像素子に投影される画像と同じで上下左右の向きは被写体と同じとい う理屈だ。 次にシャッターボタンを押すと下の図の様にミラーが跳ね上げられてファインダースクリー ンへの光路は遮られブラックアウトする。 光はそのまま直進し開いたシャッターを通過して撮像素子 に至る。

 ※ ダハ面 : 正面から見て左右の面が互いに直角になっている反射面。 左面に当たった光束は右 面へ、右面に当たった光束は左面へ反射し左右が入れ替わる。 上図ではミラーから上へ向かった光 束がペンタプリズム内で初めに反射する面。 ここで左右が入れ替わり同時に次の反射面(上図では 左下)へ向かう。 このプリズムは正確にはペンタゴナルダハプリズムと言う。

 参考文献 : 小倉敏布「写真レンズの基礎と発展」朝日ソノラマ社1998年
         金野剛志「カメラメカニズム教室(上)」朝日ソノラマ社1996年



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