フォト_ギャラリー

2021年02月14日 [ 第621回 ]

 ルリビタキ,ベニマシコ,ミヤマホオジロ,ビンズイ,余録;レンズの非点収差と像面湾曲

 

 

 ルリビタキ(雄) Red-flanked Bluetail Tarsiger cyanurus

 分類:スズメ目 ヒタキ科

 全長:14.0cm

 翼開長:22.0cm

 分布:全国で漂鳥。

 生息環境:平地〜山地の林など。

 食性:昆虫、木の実など。

 フォトギャラリー:第616回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年2月3日

 撮影時間:09時33分59秒

 シャッタースピード:1/1250秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2021年2月3日

 撮影時間:10時05分37秒

 シャッタースピード:1/500秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 

 ベニマシコ(雄) Long-tailed Rosefinch Uragus sibiricus

 分類:スズメ目 アトリ科

 全長:15.0cm

 翼開長:21.0cm

 分布:北海道で繁殖。本州以南で冬鳥。

 生息環境:平地〜山地の草原、林など。

 食性:木の実、種子、昆虫など。

 フォトギャラリー:第615回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年2月3日

 撮影時間:09時23分13秒

 シャッタースピード:1/4000秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2021年2月3日

 撮影時間:10時11分26秒

 シャッタースピード:1/250秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 

 ミヤマホオジロ(雄) Yellow-throated Bunting Emberiza elegans

 分類:スズメ目 ホオジロ科

 全長:16.0cm

 翼開長:21.0cm

 分布:全国で冬鳥。

 生息地:山地の林など。

 食性:昆虫、蜘蛛、草木の種子。

 フォトギャラリー:第618回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年2月3日

 撮影時間:09時14分23秒

 シャッタースピード:1/3200秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2021年2月3日

 撮影時間:09時23分13秒

 シャッタースピード:1/4000秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 

 

 ビンズイ Olive-backed Pipit Anthus hodgsoni

 分類:スズメ目 セキレイ科

 全長:15.5cm

 翼開長:26.0cm

 分布:全国で漂鳥または夏鳥。

 生息環境:平地〜山地の草地、明るい林など。

 食性:昆虫、蜘蛛など。

 フォトギャラリー:第611回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2021年2月3日

 撮影時間:11時22分58秒

 シャッタースピード:1/1600秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2021年2月3日

 撮影時間:11時23分08秒

 シャッタースピード:1/1600秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2021年2月3日

 撮影時間:11時23分40秒

 シャッタースピード:1/3200秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 ようやくルリビタキ雄をマトモに撮れたのでページトップに掲載したが撮影順は3番目だった。 1枚目 を撮った時は1本のカエデに2羽の雄が同時に止まるというちょっと見た事の無い珍事が有った(もう1 羽の画像は割愛)。 雄同士が同じ縄張りに落ち着く事は無いと思うのでせめぎ合いの最中なのだろう か。 本種2枚目は30分ほど後で近い所で撮れたもので2羽のうちの一方と同一個体だった可能性が 高い。
 自宅近くの現場が鳥枯れ状態になって来たのでこの日は久々にいつも行っていた現場までちょっと 足を延ばした。 顔馴染みの鳥仲間とも久々に顔を合わせて現場に立っているとミヤマホオジロの群 れがススキの穂に群がって来た。 ミヤマホオジロがススキの種を食べるとは知らなかった。 距離が 有ったので画質には不満が残るがともかくも雄が撮れた。 撮影中は雄ばかり7〜8羽の群れに見え 雌の居ない群れも珍しいと思っていたが後で画像を見ると何羽かは雌だった(画像は割愛)。 本種2 枚目の画像は没にしてもおかしくない画像だが掲載したのには訳が有る。 実はベニマシコの1枚目と 同じ画像で元画像ではツーショットだからだ。 ベニマシコを撮った画像の端にミヤマホオジロが写り込 んでいたものでノートリで掲載すると小さ過ぎて何の写真か分からなくなってしまうから別々にトリミング しただけの事だ。 当然2枚の撮影データは同じだ。 ミヤマホオジロを撮影中にススキの足元の雑草 にベニマシコが飛来したのに気付いてこういう事になった。 ベニマシコの2枚目はだいぶ後で別の場 所で撮ったものだが何故か至近距離でうろちょろしていたので有難く撮影させてもらった。 なおミヤマ ホオジロは今回でフォトギャラリーに41回目の掲載となり掲載回数で単独トップに躍り出た。
 満足感に浸りながら帰路につくと自宅近くの児童公園にビンズイが3羽ほど居た。 本種1枚目はマミ ジロタヒバリかと思うほど眉斑が白く目立つがこれはビンズイ。 本種3枚目は2枚目と比べると体下面 が淡橙褐色に見えるのでムネアカタヒバリかなと思いたいところだがこれもビンズイ。 いずれも耳羽 の辺りに白斑の下に黒斑が有りこれが識別の決め手だ。 ビンズイは雌雄同色でどれも同じに見える が細かく見ていくとけっこう個体差が有る様だ。





 余録;レンズの非点収差と像面湾曲

 
 ▲ 非点収差

 
 ▲ 像面湾曲

 さて今回は恐らくこれまでのレンズの収差の中で最も難解な非点収差について勉強したい。 これま でと違って3次元的にイメージしなければ理解が難しい(作図も難しかった)。 これには像面湾曲も関 係しているので合わせてまとめてみた。 恐らくレンズという球体を通った光を撮像素子という2次元平 面に投影しようとするから無理が生じているのだと思われる。 人間など動物の目はそれ自体が球体 であり網膜も3次元の球体に密着した形をしているが撮像素子をその様な形で作るのはかなり難しい だろう。 物体面ABCとレンズとの位置関係で軸上点Оの像が合焦する位置О'に撮像素子を置くと軸 外のABCの像A'B'C'は撮像素子の手前で湾曲した凹面状に合焦してしまい撮像素子上ではボケてい る(これが像面湾曲)。 しかも不思議な事に物体の放射状の線と同心円とは合焦する位置が異なる (非点収差)。 放射状の線が合焦する像面A's、B's、C'sをサジタル像面(S像)、同心円が合焦する像 面A'm、B'm、C'mをメリディオナル像面(M像)と呼ぶ。

 
 ▲ 物体図形

 例えば物体図形が上図の様な放射状の直線と同心円で出来ているとS像では放射状の直線が合焦 している一方で同心円は軸外へ行くほどボケている(下図)。

 
 ▲ サジタル像面の結像※(イメージ)

 逆にM像では同心円が合焦し放射状の直線は軸外へ行くほどボケている(下図)。

 
 ▲ メリディオナル像面の結像※(イメージ)

   ※ 軸上のО'では全て合焦している。

 つまり軸外では常にどちらかがボケている訳で本来は点であるべき結像がS像では同心円方向に長 細くボケとして結像しM像では放射状方向に長細くボケる。 これが非点収差の意味だ。 ひとまず像 面湾曲を置いておいて非点収差そのものはS像とM像とのズレ(非点格差)が問題だからこれを極小 にすれば少なくとも非点収差は補正される。 またS像とM像を両方まとめて撮像素子面に合致させる 事が出来れば像面湾曲と合わせて一挙に解決する。 その解決法として発見されたのが発見者の名 を取ったペッツバールの条件と呼ばれる下の公式だ。

 P=Σ(1÷nkfk)

 P=(1÷n1f1)+(1÷n2f2)+・・・+(1÷nkfk)

 n1:1番目の単レンズのガラスの屈折率

 n2:2番目の単レンズのガラスの屈折率

 nk:k番目の単レンズのガラスの屈折率

 f1:1番目の単レンズの焦点距離

 f2:2番目の単レンズの焦点距離

 fk:k番目の単レンズの焦点距離

 Pはレンズを構成する各単レンズについて焦点距離と屈折率を掛けてその逆数を(実際には各単レ ンズの屈折面ごとに)合計したもので、これをゼロにすると平坦な像面が得られるという。 足し算で合 計をゼロにする為には負の数字が必要になる。 つまり焦点距離fをマイナスで計算する凹レンズが必 ず必要になる。 そしてマイナスを効果的に働かせる為には凹レンズの屈折率nを小さくしなければな らない。 色収差の補正と合わせて凹レンズを働かせるには低屈折率高分散のガラス素材で作るのが 望ましい(フォトギャラリー第618回余録参照)。 逆に凸レンズには高屈折率低分散のガラス素材が 適している。

 と言う訳で残るは歪曲収差という事になるがそれはまた次回。


 参考文献:小倉敏布「写真レンズの基礎と発展」朝日ソノラマ社1998年



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